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会場は、キャノンギャラリー銀座。
レポートではおなじみと言ってもいい会場である。
今回は入口からして驚き!!なんと、暖簾をくぐっての入場となる。
今までにない写真展会場に、知らない方なら足を止めてしまうほどである。(笑)
実際、通りすがりで見に来られた方のなかには、
受付で戸惑いながら「これ、無料で観られるんですか?」と聞かれていたのだが
知る限りでも、ひとりふたりの数ではなかった。
ちなみに、暖簾自体は土屋さんが講師を務める教室の生徒さんからのプレゼントだそうだ。
材質は、和服でおなじみの正絹。ふわりと舞い揺れるさまは桜を彷彿とさせる。
明るい外から暖簾をくぐると、まず視界が奪われる。
会場内は可能な限り照明を落とし、所によっては人の顔も判らないほどである。
その空間に、まるでバックライトで浮かび上がったかのような作品が壁面を飾り、
中央には唯一明るいスポットライトを浴びた桜の木が佇んでいる。
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今回の写真展の題名「東京夜桜美人」。
そう、桜と美女のコラボレーションということである。
それでこの桜の木、、、だが、鉢植えなどではなく、
桜の大きな枝を写真家で華道家の勅使河原城一さんにご協力頂いて飾ることにしたそうだ。
まるで一本桜のようである。
皆さん、やはり珍しいらしく写真を見た後には必ずまん中に寄って
おもむろにスマホやカメラを・・・(笑)
先述の寄贈された暖簾も、日の入り直後の温かみのあるピンクから
夜の帳が降りる頃の青みがかった、薄紫にも見える桜を繊細なグラデーションで表している。
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会場の作品においては、バックライトはどこに?と
確実に思ってしまうほど写真の光がきらめき、
色鮮やかでクリアなパネルが並んでいる。
超光沢のクリスタルプリントと会場の空間がなせるワザだと言えよう。
それ故に写真自体が昇華され、
土屋ワールドが余すところなく展開されている。
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伺ったのは初日14日のお昼頃だったが
場所柄ということもあるものの、人の居ない写真が撮れないほどの盛況ぶり。
会場付近のエリアは土屋さんにとっては地元(?!)でもあるせいか
ご自宅の町内の方々も、お散歩がてらだろうか?気軽な感じで見に来られていた。
他にも私も見知った方がたくさん来場されていたのだが、
如何せん 多くの来場者で賑わっていて(チョットごめんなさいってわけにも・・・)、
会場が暗い(どこにいるの〜〜)ため写真は断念・・・。(苦笑)
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その代わり、、といってはなんだが、Tsu-ショットは盛りだくさん!
見知った顔を見つけるとテッテッテ (^^ / C= C= C=
ご挨拶の流れで作品の説明や裏話に花が咲く。
あの〜と声を掛けられれば、これまた丁寧に対応する。
”人”が好きで、憎めないキャラクターのTsu-さんだからこそのこの賑わいなのだろう。
でもこのひと、脱がないけどカメラを持つとスゴいんですっ。
さ〜てこのフレーズってどの年代まで通用するんだろう・・・?(笑)
冗談はさておき、普段のお茶目さんキャラと
撮影時、周囲にも突き刺さる研ぎ澄まされ感は
ダマされた〜!と思うくらいに半端ないギャップの大きさである。
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「二人だけど、、空いてる?」
とでも聞こえてきそうなのぞき方のお二人。
土屋さんとOLYMPUSの菅野さんである。
この暖簾は一部で話題になっており、
皆さんの記念写真はほぼこのスタイル。(笑)
これも、記念写真を撮っているところを撮らせてもらった一枚だ。 |
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土屋さんにお説教をされる少年たち、、、ではなく(笑)
高校写真部の後輩たちが来てくれたのである。
平日昼間に学ランとは珍しい!
と思っていたら学校は春休み。なるほどね!
日頃の悩みや質問を大大大先輩に聞いてもらう図 だったのだ。
土屋さんも当時の記憶をたどりながら、
プロとしての厳しさをはじめ、写真に関するあらゆる引き出しを開けて
脈々と連なってきた後輩へと技術や心構えなどと共に、
大切な”何か”を託していたのだろうか。
この後に少し話をした彼らからは
「僕たちが引き継ぐんだ!」という強い意志が感じ取られた。 |
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今回の作品は土屋さんのテリトリー内(笑)
健脚な人なら歩く範囲のポイントで撮影された。
築地在住という場所柄、よくお声もかかり夜の外出も珍しくないと聞く。
そんな粋な夜歩きが”夜桜”に魅力を見いだす一端になったのではなかろうか。
また、11mmという超広角によって多くの作品が、
すごく大きい!という訳ではないのに迫力ある仕上がりとなっている。
色鮮やかに光り輝くダイナミックな景色。
まさに土屋写真の真骨頂である。
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昼の桜は可憐で華やかな色をまとうが、夜の桜は艶やかで妖しい彩を放ち出す。
そんな虚構に迷い込むような、酩酊感を伴い吸い込まれるような桜と
都会ならではの鮮やかな色を持つ光の競演がなんとも絶妙である。
これは土屋さん独特の舞台写真にも通ずるものがあるように思う。
舞台の場合は臨場感によるものだが、こちらは何だろうか?
迫力のような、色彩を放つ光のような言葉にできない何かに浮き足立たされる。
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ここからは会場のいらしてたモデルさん方のご紹介。
まずは、この日に受付を担当されていたのが、
斎藤杏さん(左)と来栖理紗さん(右)
今回の写真展は15名のモデルさんで構成されているのだが
写真展会場には、その日お手伝いできる方が受付にいらっしゃるとのこと。
もちろん、他の方も来場されるが来る時刻も滞在時間もまちまちである。
どなたにお会いできるかは来場したときのお楽しみ!
次はこの日出会ったモデルさん方である。
中には探しきれなかったり、お声を掛けそびれて写せなかった方もいらっしゃるが
あしからずご了承願いたい。
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モデルさんが一堂に会することもそう多くは無いのではなかろうか。
お互いに集まって情報交換や女子バナ(恋バナも入ってる?!)に
花を咲かせていた。
また、知り合いの来場者さんとの歓談を楽しむ姿も・・・。
下の写真は、土屋さんの写真集に何やら書き込んでる様子。
さては、落書き〜〜?!ではなく(笑)
見本写真集のご本人達の紹介ページにサインを書いているのだ。
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その紹介ページと同じものが
会場入口付近の壁面に飾られている。
ちなみに、サインが書かれているのは見本のみ。
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撮影裏小話をひとつ。
今回のテーマの発端は助手時代に知った葛飾応為の浮世絵らしい。
応為とは、葛飾北斎の娘であり美人画を得意とする浮世絵師である。
何かを切っ掛けに思い出し、桜と女性の画を撮ろうと思ったのだろう。
しかし、自然を撮る人はおわかりだろうが、花の命は短いものが多い。
こと桜となると穏やかに過ぎても1週間、春嵐でも来ようものなら一瞬である。
この3年、開花と天気予報とにらめっこだったようだ。
そこにモデルさんたちの日程となるのだから撮り貯めるにしても一苦労だったろう。
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そしてこれ(左)が今回発売された写真集、見開きで1作品である。
4色で刷り上げたということだが実にきれいな仕上がりとなっている。
大判になるのでカバンに入れたい方はぜひ大きめのもので!
そして、それぞれにタイトルが付いているのだが
これはその写真のモデルが考えたもの。
どういう理由なのか想像してみるのも一興かもしれない。
初日は希望者が購入してから土屋さんがサインを書いていたので
購入の際は、まず会場に入った時に購入希望を伝えて書いてもらい、
観覧ながらインクの乾きを待つのが得策かもしれない。 |
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いよいよ閉館時間が迫る。
初日ということもあり、続々と来場したモデルさんたちに
集合の合図を出す土屋さん。
暖簾の前で記念撮影とあいなった。
集合すると、当たり前だが十人十色!
きれいだという共通項の他は
桜にも負けない個性豊かな華が咲きそろっている。 |
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咲きそろうまでに3年を要した今回の写真展。
見事な花の宴を開くことができた。
さて、この3年は本人にとって、はたして長かったのだろうか、それとも短いのだろうか。
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