岡嶋 和幸写真展
  「亀島川撮影記
内部の撮影は許可をいただいて、掲載しています。
岡嶋和幸さんの写真展に行ってきました♪
岡嶋和幸 写真展 「亀島川
会期: 2014年9月19日(金)〜10月2日(木)
場所: Bright Photo Salon
開館時間 10:00〜20:00
(土日は18:00 最終日は17:00まで)
休館: 月曜休館
交通: JR八丁堀駅B4出口から徒歩5分
東京メトロ日比谷線 八丁堀駅B4出口から徒歩5分
住所: 東京都中央区湊1-8-11
ライジングビル4F(日本写真学院内)
電話: 03-3523-0545

その昔、慣れ親しんだ場所が今は刻々と様変わりしていく。
これもまた自然の流れと感じながら、
ファインダー越しの景色に重ねていたものは・・・。



 

今回の会場は、八丁堀のブライトフォトサロン。
一昨年・昨年と同会場で開催しているので
そろそろ、おなじみの・・・となるだろうか。

今回の写真展に関して言えば、
非常に繋がりの深い会場である。
白い壁と床、白のマット紙にシルバーの額。
白系統で統一された会場には
ゆとりを持たせた落ち着いた印象の配置で作品が並ぶ。
部屋の中央には白いスツールがベンチを作り、
より一層、ゆっくりと楽しめる会場となっていた。
  
 
題名の「亀島川」と聞いて何人の方がピンと来ただろうか?
少なくとも東京に縁の薄い方にとっては、
「どこ?それ。。」と思われたことだろう。

会場にある説明によると、
日本橋川から分流して隅田川に合流する
約1Kmの現存する川で、
江戸時代には越前堀と呼ばれていたそうである。

ちなみに、この界隈の地名「八丁堀」は
亀島川に合流していた新川や櫻川といった運河のことで、
こちらは昭和中期に埋め立てられてしまっているそうだ。

またここの会場の建物は亀島川沿岸にあるが、
会場に展示されている右の地図の”現在地”ではない。(笑)

以前の八丁堀は、印刷業界の工場が集まっており、
広告・出版業界のデジタル化が進むまでは
活気づいていたようだが、バブル崩壊、デジタル化とともに
携わる人たちの姿が減り、仕事場も取り壊され、
代わりにマンションやオフィスビルが増えている。
まさに今は、過渡期であり新旧混在のなか、
時間ととにも古きものが浮き彫りになってきている。

 
今回の作品たちは、現時点で、取り残されたというより、
がんばっている「変わらぬ風景」といったところだろうか。
というのも、近い未来には老朽化・開発計画などで
いずれは消えていくのかもしれないが
”今”は立派に息づいている風景だからだ。
住宅は人が住み、店舗は開店、工場も稼働している。
20年ほど前、よく飲み歩いていたという作者にとっては
瞬時、”あの頃”にトリップする事ができる風景なのかもしれない。

当時「飲み歩いていた」ためなのか?!
今回の作品は全て夜景である。
現在は仕事で明るいうちからこの地で過ごすご本人だが
やはり、浮かぶ風景は”夜”なのだろうか。(笑)

会場内自体は、ほとんど無人だが
(もちろん、来場者は別。)
フロア内にはご本人が居ることもある。
この日も、偶然出会えた方といろいろ話をされていた。

写真学院内の会場ということで
無関係な方には、少々敷居が高く感じる方もいることだろう。
しかし、エレベーターを出るとすぐ会場入口ということもあり
ある意味、別の独立した場所とも言えるので、
写真展を見に来ただけという方も安心して楽しめると思う。

右は会場にある写真展名の書。
本人ではなく書道家の方が書かれたもののようである。
WEBの案内でもこの横書きが掲載されていたので
どんな写真展なのか全く想像がつかなかった。
一応、漠然と推測はしたが、
今回はアタマの中を真っ白にしたまま写真展へと向かった。
よく、いたずらを仕掛けるごとく、
さりげない趣向をこらすことが多いけれども、
今回の仕掛けはやはりこれだろう。(笑)
過去と現在、そして未来。
時は誰にも止めることができず、変化もまた然りなのだろう。
仕方のないことと想いながらも、一抹の寂しさを感じる気もするが、
そこからのまた新たな一歩が存在するのも事実である。


  

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