今回の会場は、八丁堀のブライトフォトサロン。
一昨年・昨年と同会場で開催しているので
そろそろ、おなじみの・・・となるだろうか。
今回の写真展に関して言えば、
非常に繋がりの深い会場である。
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白い壁と床、白のマット紙にシルバーの額。
白系統で統一された会場には
ゆとりを持たせた落ち着いた印象の配置で作品が並ぶ。
部屋の中央には白いスツールがベンチを作り、
より一層、ゆっくりと楽しめる会場となっていた。
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題名の「亀島川」と聞いて何人の方がピンと来ただろうか?
少なくとも東京に縁の薄い方にとっては、
「どこ?それ。。」と思われたことだろう。
会場にある説明によると、
日本橋川から分流して隅田川に合流する
約1Kmの現存する川で、
江戸時代には越前堀と呼ばれていたそうである。
ちなみに、この界隈の地名「八丁堀」は
亀島川に合流していた新川や櫻川といった運河のことで、
こちらは昭和中期に埋め立てられてしまっているそうだ。
またここの会場の建物は亀島川沿岸にあるが、
会場に展示されている右の地図の”現在地”ではない。(笑)
以前の八丁堀は、印刷業界の工場が集まっており、
広告・出版業界のデジタル化が進むまでは
活気づいていたようだが、バブル崩壊、デジタル化とともに
携わる人たちの姿が減り、仕事場も取り壊され、
代わりにマンションやオフィスビルが増えている。
まさに今は、過渡期であり新旧混在のなか、
時間ととにも古きものが浮き彫りになってきている。
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今回の作品たちは、現時点で、取り残されたというより、
がんばっている「変わらぬ風景」といったところだろうか。
というのも、近い未来には老朽化・開発計画などで
いずれは消えていくのかもしれないが
”今”は立派に息づいている風景だからだ。
住宅は人が住み、店舗は開店、工場も稼働している。
20年ほど前、よく飲み歩いていたという作者にとっては
瞬時、”あの頃”にトリップする事ができる風景なのかもしれない。
当時「飲み歩いていた」ためなのか?!
今回の作品は全て夜景である。
現在は仕事で明るいうちからこの地で過ごすご本人だが
やはり、浮かぶ風景は”夜”なのだろうか。(笑)
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会場内自体は、ほとんど無人だが
(もちろん、来場者は別。)
フロア内にはご本人が居ることもある。
この日も、偶然出会えた方といろいろ話をされていた。
写真学院内の会場ということで
無関係な方には、少々敷居が高く感じる方もいることだろう。
しかし、エレベーターを出るとすぐ会場入口ということもあり
ある意味、別の独立した場所とも言えるので、
写真展を見に来ただけという方も安心して楽しめると思う。
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右は会場にある写真展名の書。
本人ではなく書道家の方が書かれたもののようである。
WEBの案内でもこの横書きが掲載されていたので
どんな写真展なのか全く想像がつかなかった。
一応、漠然と推測はしたが、
今回はアタマの中を真っ白にしたまま写真展へと向かった。
よく、いたずらを仕掛けるごとく、
さりげない趣向をこらすことが多いけれども、
今回の仕掛けはやはりこれだろう。(笑)
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過去と現在、そして未来。
時は誰にも止めることができず、変化もまた然りなのだろう。
仕方のないことと想いながらも、一抹の寂しさを感じる気もするが、
そこからのまた新たな一歩が存在するのも事実である。
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