2012年の写真展のひとつは、
日本写真学院内にあるTHE GALLERYでの開催。
八丁堀にあるビルの4Fにエレベーターで上がると
入り口からすぐ見える「白い小部屋」である。
場所的には出口を間違えると判りづらいのでご注意を!
まずは、八丁堀駅からB4出口を目指し、
出口階段を上がった目の前の横断歩道を川に沿って渡る。
渡ったらそのまま川沿いの道路を進み、初めの横道を左折。
道なりにカーブになっているところにある、銀色の階段のビルである。 |
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会場内には、フィルム・銀塩プリントで
約20cmスクウェアのモノクロ写真が物静かに並んでいる。
部屋自体は白一色の明るい部屋なのだが、
そこにアンダートーンの小さな写真が並ぶので、
全体的に落ち着いて控えめな印象を醸し出している。 |
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「自分の部屋に飾る写真を撮ろうと旅に出た。」
心のままにまかせシャッターを切ったことだろう。
風景・植物・人工物、幾何学模様や光にディテールetc...
言葉にしてしまうと統一感がないように見えてしまうそれぞれの”心”が
「彼の地の息づかい」としてひとつのブーケにまとめられている。
ストーリーがあるわけではない。
ただただ、旅人の心に刻まれた余韻が、移り香のように会場を満たしている。
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今回の写真は全てアナログ。そして”手作り”。
さすがにカメラから作ったわけではないが(笑)
フィルムカメラで撮り、自ら現像し印画紙に焼き付けたそうだ。
そんな写真達は、柔らかくて温かい。
絵柄としてではなく、質感というか空気というかが柔らかいのだ。
軟調・・・といえばそうなるのかもしれないが、イメージ的には
夢の中の鮮明な景色のような、幽霊にでもなってその場にいるような、
「ここに居るけど、私の存在しない世界」といった不思議な感覚である。
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イギリス・スコットランドの写真展。
はてさて、自室に飾る一枚は心に決まったのだろうか?
それともまだ、作者の心は旅先の地を揺蕩っているのだろうか。
ならば写真展が終わる頃、此の地に戻ってくるのかもしれない。
それまではどうか心地よい余韻が続きますように・・・・。 |