岡嶋 和幸写真展
  「記憶の森に紡ぐ撮影記
内部の撮影は許可をいただいて、掲載しています。
岡嶋和幸さんの写真展に行ってきました♪
岡嶋和幸 写真展 「記憶の森に紡ぐ
会期: 2013年10月11日(金)〜10月31日(木)
場所: ブライトフォトサロン
開館時間 10:00〜19:00
(土日は18:00 最終日は17:00まで)
休館: 月曜休館
交通: JR八丁堀駅B4出口から徒歩5分
東京メトロ日比谷線 八丁堀駅B4出口から徒歩5分
住所: 東京都中央区湊1-8-11
千代ビル4F(日本写真学院内
電話: 03-3523-0545

その土地に遺る記憶。人の想いや誰かの記憶の物語。
旅人はその一つひとつに触れてみる。
記憶は紡がれ糸となり、その土地というタペストリーが織り上がる。
さて、彼の旅人の紡いだものは・・・。


今回の写真展は、ほぼ同時開催のペア写真展。
もう一つは、日本橋小伝馬町にあるアイアイエーギャラリーでの
彼方の森を泳ぐ」で、会期的にこちらが先発となる。

こちらの会場は八丁堀のブライトフォトサロン。
前年の「afterglow」と同会場である。
白い会場には小ぶりで見やすいスクエアの写真が並んでおり、
奥の壁面のみ少し大きめのものが配されている。
マット部を大きく取った額装と余裕を持った奥壁面の配置により
写真に圧されることなくゆったりとした印象である。

プリントは、いつもの事ながらこだわりを持ち、
写真のイメージの違いはもちろん、
ゴミなどが付いていたら焼き直し。
を何度も繰り返して仕上げたものだそうだ。
  
 
こちらの会場の作品はスコットランドの撮り下ろしで、
フィルムからの現像プリント。
散策しながら、心の琴線に触れた”なにか”を
無意識に、呼吸のごとく、心の動くままに撮った。
という感じの作品群である。

しっかりと礎を築いている方であるから、
構図や露出といったことなどは身体が覚えているのだろう。
「あっ・・・」と何かに気づいた瞬間、
その場所では霧のように散じているものが
凝って、形になって、”なにか”になったものを
写真に閉じ込めたという感じである。
人の息づく土地は、人々の心がしみ込み、
あるいは降り積もり、または刻まれ、
そして風となって空気中をも包み込んでいる。
そんな記憶の森に見守られた土地の
人の想いや記憶などだけを拾い出し紡ぎあげ、
「その土地」をその糸で描いたように感じた。

言葉にすると、幾分か題名や会場の作者コメントに
影響した部分もあるが、
なにかの静かな息づかいの聞こえそうな写真達からは、
嬉しさ、悲しさ、寂しさ、気持ちよさ、エトセトラ…
自分のものではない、感情と名の付く何かが
混沌と、、、いや、それぞれ別個にその場に”居る”ものが
渦巻きのごとく一斉にヨリをかけながら心へ入ってくる。
といった印象を受けた。
う〜ん、、解ってもらえるだろうか・・・。(苦笑)


その土地にまつわる記憶。
それは、その土地そのものをも意味するのではないだろうか?
記憶の物語の糸を織り上げてみれば、
きっと壮大なタペストリーになるのかもしれない。
それはやがて、その土地の風土・カラーといったものに変化し、
巷の人々にも見える断片になるのだろう。
つまりは、その土地に何かしらの縁のある人の数分、
断片が散在しているということになるのだろうか。

ペア写真展のひとつ、「現在」。
意図としては、成長したのか?はたまた逆か?何が解るようになり、何を置いてきたのか?
自分自身へ問いかける趣向にしたものの、その答えは鍵の掛かったものの中にある。
そして、その鍵はふたつの写真展見るあなたが持っているらしい。
ここは是非ともひとり一本の花でブーケを作るがごとく、多くの鍵が集まることを祈るとしよう。


  

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