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会場は、オリンパスギャラリー東京。
新宿駅西口から都庁方面へ向かう途中にある。
西口からまずは地下ロータリーを目指し、
ロータリーに出たら空の見えるひらけた方(都庁方面)を向いて左側に進む。
空を右側に見ながら進むと、右側に動く歩道のある地下道のような場所に出る。
2020年の現在では左の建物が工事中なので、
動く歩道と「東京都庁・中央公園方面」の案内版を目印にするのがよいだろう。
そのまま真っ直ぐに進み、左側に階段やエスカレーターのある場所が見えたところで
階段かエスカレータを上がったフロアにある。
初めての方は少し不安になるくらいまっすぐ歩くのだがそのうち見えてくるのでご安心を(笑)
ロータリーから右側に進んでも同じような作りなので間違いやすいのでご用心!
万が一、地下道まで行ってしまったらそのまま出口まで進みきって横断歩道を渡り
正しい通路に都庁側から入る方が判りやすいかもしれない。 |
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作品はカラー写真。
.ほぼ、同サイズに統一され、4つの壁面に
これまたほぼ一列に配置されている。
被写体が多種多様だからなのか、
カラーというか、雰囲気というかは賑やかに思うのだが、
いつもの落ち着いた”清水トーン”でまとめられているためか
清廉とした不思議な統一感が会場を支配している。
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会場に入ってすぐに、まず思うこと。
それは、素直に表現すると 「え、えーっと、、どうしよう・・・」 だ。(笑)
入った瞬間、 「&@%#*$%&!!」 という感じで
写真たちが一斉に話しかけてくるような感覚が飛び込んできた。
ほかの方も言葉は違えど困惑に似たような第一印象を覚えた
という声がチラホラ聞こえてきた。
夕刻にトンボの田中さんに会ったのだが、やはり難解と思ったようで
「今まで写真を見ることが少なかった人には、”AERAdot.”などの解説を
まず読んでから見に来るよう勧めたいと思っている。」
とのことだった。
私の場合、あえて前知識を入れず臨むので、後から読んだのが
たしかにかなり深く掘り下げた内容になっている。 |
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それほど展名からも写真からもテーマが解りづらい。
清水さんも自覚があるようで
今回の写真展の反応は気になるという。
是非に分かれるのなら全然いい、
多くの人が「解らない」とならない事を祈るのみ。
そう話しているのを聞いて、あぁ、確かに!と思った。
あまりにもつかみ所が少なく、
ある意味 漠然としているので、感想を聞かれたとき
「解らない。」となっても不思議ではないのだ。
それほど難解な写真展ではあるが、個々の写真としては
力強さのある楽しめるものばかりである。
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今回の写真展は「ルーツ探し」。
いわゆる”帰省”という経験のない清水さん。
自分の先祖を辿った本当の故郷とはどこなのだろう?
調べ遡り始めた作者だが、早々に行き詰まる。
身体的特徴などを手がかりに、考えあぐねながらさまよった時もある。
それが2007年に発表された「ひだまり」「ひだまりver.1.02」だそうだ。
どうにもならないのかと考えている時に
「Genetic Memory(遺伝子的記憶)」
という言葉に出会った。
子々孫々に遺伝という形で先祖の経験や記憶の一部が、
受け継がれていくというものだ。
ならば、日本各地を巡り自分のさまざまな感覚から
故郷を探しだすことができないだろうか?
そんな発想から旅が始まり、今回の写真展に至った。
しかし、今回が結論というわけではない。
このテーマでの写真展は第一回目、
つまりは旅の始まりというわけだ。
沖縄・鹿児島・宮崎・佐賀、 高知・徳島・香川・鳥取、
京都・岐阜・長野に、富山・新潟・千葉、
福島・宮城・岩手・北海道と会場の展示だけでも
南から北まで多くの地を訪れたのがよくわかる。
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今回、午後から滞在していたのだが、
全くもって人が途切れることがなかった。
お邪魔する前の話を聞くと
2回ほど切れ間があったということで、
今までの経験上、1度くらいは切れ間があるだろうと
観覧しながら会場全体を撮るチャンスを窺っていたのだが
夕刻になるほど人が増えていった。
イベント事ではよく、「雨の日は人が減る」と言われるが、
元々”雨男”な清水さんの場合、
心得た方ばかりで当てはまらないようだ。(笑)
今回は見知った方にはほとんど出会わなかったため
来場者のシルエットをお借りしてパチリ。
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会場の解説文によると、旅をする中で海よりも山、
山というよりも森の方が開放されていく感覚が強く、
一方、城や城下町などには観光的な感覚が大きかったという。
中でも生き物を扱った慣習に惹かれ、
関係する物事には必ずと言っていいほどレンズを向けたそうだ。
そして青森県を訪れた際に「十二本のヤス」と呼ばれるヒバの巨木に出会う。
十二本に又割れしており、十三本になったとしても必ず一本枯れるのだそうだ。
その場で強烈な衝撃を受けたこと、山で神聖とされる十二という数字。
「なにか山を崇める人たちに関係あるのかもしれない。」そう作者は思ったという。
それまでの旅で、生き物に興味を示すこともあって、
東北のマタギの方に熊狩りへの同行の許しを願った。
ルーツ探しの端緒をつかむ切っ掛けとなったエピソードだからだろう、
右の写真「十二本のヤス」は案内はがきになっている。
そしてこのページTOPの清水さんの隣には熊狩り取材での2枚。
チョット刺激的すぎ?!とも思ったがキーパーソンならぬキーピクチャーなのでパチリ。
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なんとなく謎を含む2枚。(笑)
飛行機からの富士山山頂(下)と
太陽と月と地球が一直線に並ぶ瞬間(左)である。
会場入り口すぐ左に天体の写真が、
解説文のすぐ横に富士山山頂が展示されているので
入った時に困惑が生まれるのではないかと思われる。
しかし一周し終わった時には2つの意味がわかるのだろう。
ある意味、明快な目的(ルーツ探し)の追求であるようにみえて
実は大きな不思議を内包したテーマのように感じたのは私だけだろうか。 |
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今回の旅の写真集が会場で販売されている。
”写真展の”ではなく、旅の写真集なので
写真の点数も会場の展示よりもはるかに多い。
部数は500と少なめなので、入手希望の方はお早めに!
会場に行けないという方のために、
清水さんのHPにて通信販売も行っている。
また、既刊の
「世界のともだち」モンゴル、「トウキョウカラス」、「NEW TYPE」
も、会場で買うことができる。
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「超!個人的ルーツの旅」 しかし、その方法は面白い。
そう、知っても意味のない私たちが興味を持つくらいに。
始まったばかりの旅はどこに到着するのだろうか。
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