会場は、オリンパスギャラリー東京。
新宿駅西口から都庁方面へ向かう途中にある。
西口からまずは地下ロータリーを目指し、
ロータリーに出たらひらけた方(都庁方面)を向いて左側に進むと、左側に建物・右側に動く歩道のある地下道のような場所に出る。
そのまま真っ直ぐに進み、左側に階段やエスカレーターのある場所が見えたところでエスカレーターを上がると目の前にある。
ロータリーから右側に進んでも同じような作りなので間違いやすいのでご用心!
万が一、地下道まで行ってしまったらそのまま出口まで進みきって横断歩道を渡り正しい通路に都庁側から入る方が判りやすいかもしれない。
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中は受付カウンターを過ぎると、
ゆったりとした空間の中央にだけソファー。
大きな写真でも十分に距離を取って
楽しめるスペースとなっている。
会場には大小織り交ぜながら、
変化のあるレイアウトを取りつつも、
モノクロの写真が心地良い統一感を醸し出している。
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相変わらず、来場者の波は途切れること無く、
ご当人は「トイレも行けない!!」などと
嬉しいんだか切羽詰まるんだか、
よくわからない悲鳴を上げられていた。(笑)
来場者の中でも某大学の学生さんが目立ち、
何なんだろう?と思ったそうで、
聞いたところレポートのために見に来たとのこと。 |
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学生さんの多くは、作者に質問しメモを取ったり、
作品を熱心に見つめながらメモをしたりと、
私的には新鮮な風景だった。
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今回のタイトル「Anchin」はモンゴル語で”狩人”。
モンゴル最北部、タイガに住む「ツァーチン」と呼ばれる
古くから狩猟とシャーマニズムが文化として根付いた
トナカイ遊牧民の現代の日常である。
トナカイを遊牧しながら、動物を見つければ根付いた狩猟本能で狩りをする。
何事かあるとシャーマンを頼り耳を傾ける。
その一方、テレビを見て、スマホを持ち、ケイタイで電話をする。
そんな彼らの暮らしを作品郡としたのが今回の写真展である。
前回同様、モノクロではあるが、
ハイライト部を冷黒調、シャドウ部を温黒調に仕上げたそうで、
スッキリと自然なメリハリの利いた、見ていて落ち着ける作品に思えた。
何よりも一番感激したのが、最近小さな文字がめっきり苦手な私でも(苦笑)、
細かなディテールがくっきりハッキリ!でも本当にとても自然で
十二分に楽しめるほど、とても目に優しい仕上げである。
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今回、印象的だったのが”肖像”である。
毎回、いくつか人物の写真は見ているのだが、
寿命の短いツァーチンの人たちを意識して撮られていたからだろうか。
会場には幼児から少年少女、青年・壮年期の人からご老人まで
一生をなぞらえて男女それぞれの写真を並べ、
間には結婚式の特別な屋根飾りの写真を男女を取り持つように配置されていた。
そして、その表情は現地に馴染んだ人にしか撮れないのではないかと思えるほど
すべての人が肩の力を抜いて穏やかにレンズの向こうを見つめていた。
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夏は観光で生計を立てるツァーチンの人々。
昔はトナカイの角を切って生薬として売っていたが、
今は落ちた角を彫刻してお土産物を作っている。
それが左の写真の男性が持っているもの。
右は会場の受付に文鎮に使われていたもので、
ツァーチンの人が彫った石細工だそうだ。
横から見るとなかなかの出来映え!
しかし前から見ると・・・・?!
始めたばかりだというからまだまだ発展途上!
ということだろうか。(笑)
しかし、こういう素朴さもまた一興なのかもしれない。 |
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中央のソファーには、写真展関係の掲載雑誌と共に
毎日新聞が一部置かれており、
紙面には作者の書いた記事と共に写真が掲載されている。
こちらはカラー写真なのでモノクロと見比べるのもまた一興かも。 |
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そして、今回発売のフォトエッセー「うまたび」。
第16回さがみはら写真新人奨励賞 受賞作の
「New Type」も同時販売している。
うまたびは、20年間の取材記録であり、
New Typeはモンゴルで出版された「Change」の
続編的写真集である。
ちなみに「Change」に関しては
すでに入手不能とのことなのであしからず。
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やっとモンゴルを巡り終えた20年。
それは変わりゆく時を見続けた20年と言えるかもしれない。
ユキヒョウに会いたくて踏み入ったモンゴルの地。
これからもまた、新たな視点で見続けるのだろう。
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