会場は、新宿御苑にもほど近い
アイデムフォトギャラリー「シリウス」。
大雑把にいえば新宿通り沿いの新宿御苑付近にある。
御苑の新宿門〜大木戸門の外周通りと新宿通りがほぼ平行なので
知っている人同士だと「御苑のところ」で通じてしまったりする。(笑)
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最寄り駅は丸ノ内線の新宿御苑駅だが、
長いお散歩ができる方ならJRから歩くことが可能である。
ただし、西口に出てしまうと道がややこしくなってしまうため
南口か東口を目指すとよい。
東口なら新宿通りを見つけられると思うので
それを四ッ谷方面へ歩くと左沿いに会場がある。
南口なら甲州街道を同じく四ッ谷方面へ向かうと御苑の新宿門に着くので
そこから新宿御苑駅−会場へとたどるのが簡単かもしれない。
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東京での写真展は20年ぶりだという田中さん。
待ってました!!という方も多かったのではなかろうか。
会場には写真展では小さめの”トンボのいる”写真が
メロディを奏でているような感じで並んでいる。
それは流れるような〜とか穏やかな〜とかではなく
波打つような転調を繰り返す配置、といった感じだろうか。 |
ネイチャー系でも風景的なもの、ポートレイト的なもの、
マクロでの部分的なものと多彩なうえ、
これにスナップ系の写真が加わっており、
見る者を飽きさせないよう考えられているようだ。 |
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お邪魔したのは2日目の午後。
初日の予定が合わなかったためだが、すごくたくさんの来場者だったそうで
逆に2日目で良かった!と思わせるほどだったようだ。
そのため「昨日は(人の多さで)見られなかったから」と
2日目に再び来場された方もいたという。
私が着いた時には田中さんが数分離席されている時で
会場は無人だったがそれもやっと人が途切れた時だったという。
現にそれ以降人が途切れることはなく、
冒頭の会場の全景写真には帰り支度中の田中さんと
お手伝いをされている中村貴史さんが入っている(笑)
場所柄、テーマ柄(?!)もあるのか、何気なく入ってこられた方が
トンボについての質問をされていたり、
知り合いの方々も思い出の中に馴染みはあるものの
大人になってからは意識して見ることもないためか、
東京にもこんなに居るのかと感慨深げに話されていた。
もちろん、見ようとしないと見つけられない種類やシーンの写真では
様々な質問を田中さんにされていた。
子供の頃からトンボ好きでトンボ取り・・・もとい!、
トンボ撮り歴約30年の田中さんは間髪入れず(笑)スラスラと回答されていた。
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以前、話の中で田中さん曰く、
「トンボだけを撮りたい訳ではない、トンボの居る風景を撮りたいのだ」
と、聞いたことがある。
結構前の話なので一言一句そのままというわけではないが、
そのトンボの居る環境ごと写していきたいといったポリシーが
私の中では田中さんのお人柄と相まってすごくシックリきたのを覚えている。
そして今回は”東京”のトンボ。
各所に残る(または残している)山や公園といった自然環境と、
まさしく多くの人が頭に浮かべる大都会での人との共存を見事に描き出している。
また、トンボそのものの美しい部位や生態も虫の苦手な方にも配慮しつつ
所々に配置されている。 |
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以下はなかでも質問やコメントの多かった写真である。
他にも数点あったのだが、今回はこの4点をご紹介。
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質問として多かったのはこちらの作品。
雨の中、色の違うトンボが2匹、枝に止まっている。
そして今回の展示には写真の下にトンボの名前がひとつ書かれている。
ということは、違う種類・・・はないよね、、、でも色が違う??!
という感じで思われたのだろう、「色が違うのは何故ですか?」
との問いがよく聞こえていた。
トンボの成熟度合い(生殖行動ができるかどうか)や
雌雄差で色が違うことは多いらしいのだが
この種のメス(右)は、オス(左)と同色のタイプと
この写真のような異色型がおり、
この写真のような異色型は珍しいそうである。
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普段あまり見ることのないパーツを取り上げた作品。
トンボの中には羽や複眼の造形がきれいなものもいる。
トンボを捕まえていた方々でもそうマジマジと見ることも少なかったのだろう「きれいですねぇ」と再発見したような声音を発せられていた。
ちなみにこの作品、本格的な準備段階で「こういうのが欲しい!」となったそうである。時期的にもギリギリ撮れるかどうか?!
だが田中さんは、ならばこの時間にここで撮る!と確信を持って臨んだという。
これもトンボという生き物の生態を知っている田中さんだからこそできたワザなのだろう。
この羽のきらめきも偶然ではなく、田中さんの知識と撮影テクニックの賜である。
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観覧者を惹きつけていたのがこの作品。
トンボが産卵でオシリを水面につけることでできた波紋が幻想的だったようだ。
実際はボケなのだがスローシャッターのようなゆらぎにも似て
なんとも不思議感を醸し出している作品である。
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これは写真に精通され、どういう撮り方か判っているだろう方でも
一度は「どう撮ったの?」と聞いてしまうらしい作品。(笑)
魚眼で寄って寄ってレンズから数センチ!
この写真のように羽を前(下?)に寝かせている子は、どっしり腰を下ろしている状態なので実は寄っても逃げないこともある。
もちろん寄るコツや好かれ度合いにが撮れるかどうかのカギとなるので、これも田中さんだからこそ!の一枚と言えるだろう。 |
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それと、何やってんだか(笑)
駄洒落ネタを仕込んでいたようなのでご紹介(^^;
この2枚は隣に並んでおり普通に見れば都会のスナップ風である。
スカイツリーとトンボ、人越しに撮られたツリ竿に止まるトンボ。
スカイツリーとツリ竿、、、ん?
もしかして、ツリ(ー)繋がりか???!!
なんだかドッと疲れたような、肩の力が抜けたような・・・(笑)
さてはて、何人の方が気づくんでしょうね? |
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サラリーマンでもある田中さん。
今回は会社のシステムでもある休暇を上手く利用して
会期中は在廊できるよう調整されていた。
多くの来場者と会い、質問に答え、トンボ談義を皮切りに話が弾む。
知り合いの方がいらしたら、おなじみのトンボ日記用にパチリ。(笑)
カメラを片手に忙しく会場内を動いていた。(^^; |
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そして今回の出版された図録。
見ていて気持ちの良い仕上がりになっている。
と、私がいうのもなんなのだが、
とことん印刷にこだわったと聞いていたので
拝見して納得!というところである。
表紙はページTOPの田中さんが持っているもの。
この日は会期中に完売しそう!と思うほど
次々に買い求められていた。
ちなみに書店では販売していないそうなのでアシカラズ。
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知る人ぞ知る「とんぼと言えば田中さん」と言われるほどのトンボ好き。
少年のトンボと戯れるような感性のまま、大人の知識を織り交ぜた
温かくやさしい、そしてそこに男性らしいキリッとしたテイストを垣間見せる作品達。
そこに生きる彼らを見つめ続け、”記録する者”なのかもしれない。
ン十年、ン百年、ン千年と写真が残ったとき、歴史を左右する1枚!・・・が、あるのかも?!
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