豊田直之写真展
水の輪廻〜広大なる海の行方を追い求めて〜撮影記
内部の撮影は許可をいただいて、掲載しています。
豊田直之さんの写真展に行ってきました♪
豊田直之 写真展
水の輪廻 〜広大なる海の行方を追い求めて〜
会期: 2015年5月14日(木)〜6月22日(月)
場所: キヤノンギャラリーS
開館時間 10:00〜17:30
休館: 日曜・祝日
交通: JR品川駅港南口より徒歩8分
京浜急行品川駅より徒歩10分
住所: 東京都港区港南2-16-6
キヤノンSタワー1F
ギャラリートーク」
会期: 2015年5月16日・6月6、13、20日の各土曜日
場所: キヤノンSタワー1F キヤノンギャラリーS
開館時間 14:00〜15:00
入場無料  事前申し込み不要

海から始まった旅は魅せられるまま、水と共に旅をしていた。
変幻自在な水に寄り添い、または離れ、身に触れ、そして届かぬ先にそれを見た。
地球を育む悠久の輪廻の物語。

会場は品川のキヤノンSタワー1階にあるキヤノンギャラリーS。
JR品川駅港南口から道なりに向かうと
キヤノンSタワーの2階入り口にたどり着くので、
入ってすぐのエスカレーターで1階へ。
降りてすぐ左手が会場である。
元々はゆったりとした
長方形の空間、、、なのだと思う。
しかしパネルの設置によって、
かなり雰囲気が変わるので
全く違う空間かと感じてしまう。
以前、別の機会に訪れたときには
とても入り組んだ印象だったような・・・。
記憶が確かなら、それだけ作者の意図が
反映されやすいということだろうか。
今回はちょうど「回」の字型に構成されており
外回りと内側との二部構成となっている。
入った瞬間は順路に迷いそうだが
内側部分にはテーマも掲げられているので
目印にすると混乱も少ないだろう。
  
 
壁面にはあざやかなバックライトの写真が・・・
と、思いきや!!?
ごく普通にプリントした写真が飾られている。
多くの方のリアクションを見ていると
観覧しばらくはバックライトの写真だと
錯覚しているようだった。
かくいう私もしばらくは錯覚していたクチである。(笑)
なんとも不思議な空間なのだが、
壁面が黒色なことを活かしたようで
額縁も黒木枠にし目立たなくした上で
ライティングの効果で写真を浮き立たせている。
当然、会場も暗くしているので
より一層写真が目に飛び込んでくるのだ。
 
もちろん、写真の仕上げも
普通のプリントとはいうものの
会場での見せ方を踏まえてか
少し硬めでパリッと仕上がっているため
まるで実物を見ているような
透明感のある作品達が並んでいる。

その一つひとつの仕掛けが相乗効果を生んで
活き活きとした世界が会場を彩っていた。
 
まずはメインテーマである「水の輪廻」。
会場外周りの作品達である。
豊田さんのホームグラウンドである海の世界では
当たり前にある”水”の存在に意識が向いたのだろうか。
形があってカタチがなく、変幻自在に姿を変える魅力に
ハマってしまった(笑)みたいである。


ページTOPの水滴の写真は案内ハガキに使われたものだが、
山奥の苔から落ちた一滴だそうである。
大地の旅の始まりということなのだろう。

山奥から湧き出で、もしくは天から降り注いで量をなし、
大地を流れ、集まり、川となり、やがて海へと到達する。

そんな過程・・・、いや、大地の旅をするわけだが、
しかしその大きな旅の中で、寄り道をする”水”たちもいて
その全てが生きとし生けるものを育んでいると言っても
過言ではないかもしれない。
今回は”水”の旅そのものだけでなく
旅のアシアトをも追いかけている。
豊田さんが得意とする水中写真だけでなく、
バラエティ豊かな作品群となっており、
靄にけぶる風景や瑞々しさを感じさせる景色も
数多く展示されている。
また、題名の”輪廻”たる所以の
「始まりの水」を運ぶ天空にもレンズを向けている。
撮影地も国内の北から南まで各地に及んでおり、
さらには日本にとどまらず海外の作品も展示されている。
形を変え、地球そのものを潤す水は、
ありとあらゆる場所を巡っているというわけなのだろう。
そして、「神奈川の水の輪廻」。
神奈川県にお住まいということで、
地域密着の水の旅、ということか。
丹沢や相模をメインに最終地東京湾を目指す。

旅の出発点となる山奥には滝が多いらしく
さまざまな表情を見せてくれている。
また、抜群の透明度を持つ湖では
厳しい一面を彷彿とさせる
哀しい物語も垣間見せていた。
水が「形作る」造形美や、
水が「見る」四季折々の風景を
また、水の恩恵にあずかる生き物たちが
透明感溢れる作品群として並んでいる。

そして、水があるなら潜るべし!
なのかどうかは定かでないが(笑)
淡水の海とはまた違った景色が切り取られている。
これらは、流し撮り・・・のようだが実は違う。
どちらも水中写真である。では、どうやって??!

その答えは、、、会期中は控えることとしよう。(笑)
ぜひ想像力豊かに答え探しを楽しんでもらえればと思う。
ヒントは「同じ速度」である。
ちなみに私も同じことを地上の人でチャレンジしたことがあるが、
これがなかなかムズカシイ・・・。(苦笑)


地球の全てのものと切っても切れない存在。
生きとし生けるものを育む反面、容赦なく牙をむく事もある。
人には太刀打ちできない力を持ちながら、
人の行いひとつで大きな影響を受けてしまうこともある。
そんな水の存在をどう感じ、考えるだろうか。
会場で、水の流れに身を任せつつ一考してみるのもよいかもしれない。


  

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