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会場は品川のキヤノンSタワー1階にあるキヤノンギャラリーS。
JR品川駅港南口から道なりに向かうと
キヤノンSタワーの2階入り口にたどり着くので、
入ってすぐのエスカレーターで1階へ。
降りてすぐ左手が会場である。
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元々はゆったりとした
長方形の空間、、、なのだと思う。
しかしパネルの設置によって、
かなり雰囲気が変わるので
全く違う空間かと感じてしまう。
以前、別の機会に訪れたときには
とても入り組んだ印象だったような・・・。
記憶が確かなら、それだけ作者の意図が
反映されやすいということだろうか。 |
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今回はちょうど「回」の字型に構成されており
外回りと内側との二部構成となっている。
入った瞬間は順路に迷いそうだが
内側部分にはテーマも掲げられているので
目印にすると混乱も少ないだろう。 |
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壁面にはあざやかなバックライトの写真が・・・
と、思いきや!!?
ごく普通にプリントした写真が飾られている。
多くの方のリアクションを見ていると
観覧しばらくはバックライトの写真だと
錯覚しているようだった。
かくいう私もしばらくは錯覚していたクチである。(笑) |
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なんとも不思議な空間なのだが、
壁面が黒色なことを活かしたようで
額縁も黒木枠にし目立たなくした上で
ライティングの効果で写真を浮き立たせている。
当然、会場も暗くしているので
より一層写真が目に飛び込んでくるのだ。
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もちろん、写真の仕上げも
普通のプリントとはいうものの
会場での見せ方を踏まえてか
少し硬めでパリッと仕上がっているため
まるで実物を見ているような
透明感のある作品達が並んでいる。
その一つひとつの仕掛けが相乗効果を生んで
活き活きとした世界が会場を彩っていた。
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まずはメインテーマである「水の輪廻」。
会場外周りの作品達である。
豊田さんのホームグラウンドである海の世界では
当たり前にある”水”の存在に意識が向いたのだろうか。
形があってカタチがなく、変幻自在に姿を変える魅力に
ハマってしまった(笑)みたいである。 |
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ページTOPの水滴の写真は案内ハガキに使われたものだが、
山奥の苔から落ちた一滴だそうである。
大地の旅の始まりということなのだろう。
山奥から湧き出で、もしくは天から降り注いで量をなし、
大地を流れ、集まり、川となり、やがて海へと到達する。
そんな過程・・・、いや、大地の旅をするわけだが、
しかしその大きな旅の中で、寄り道をする”水”たちもいて
その全てが生きとし生けるものを育んでいると言っても
過言ではないかもしれない。
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今回は”水”の旅そのものだけでなく
旅のアシアトをも追いかけている。
豊田さんが得意とする水中写真だけでなく、
バラエティ豊かな作品群となっており、
靄にけぶる風景や瑞々しさを感じさせる景色も
数多く展示されている。
また、題名の”輪廻”たる所以の
「始まりの水」を運ぶ天空にもレンズを向けている。 |
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撮影地も国内の北から南まで各地に及んでおり、
さらには日本にとどまらず海外の作品も展示されている。
形を変え、地球そのものを潤す水は、
ありとあらゆる場所を巡っているというわけなのだろう。 |
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そして、「神奈川の水の輪廻」。
神奈川県にお住まいということで、
地域密着の水の旅、ということか。
丹沢や相模をメインに最終地東京湾を目指す。
旅の出発点となる山奥には滝が多いらしく
さまざまな表情を見せてくれている。
また、抜群の透明度を持つ湖では
厳しい一面を彷彿とさせる
哀しい物語も垣間見せていた。
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水が「形作る」造形美や、
水が「見る」四季折々の風景を
また、水の恩恵にあずかる生き物たちが
透明感溢れる作品群として並んでいる。
そして、水があるなら潜るべし!
なのかどうかは定かでないが(笑)
淡水の海とはまた違った景色が切り取られている。 |
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これらは、流し撮り・・・のようだが実は違う。
どちらも水中写真である。では、どうやって??!
その答えは、、、会期中は控えることとしよう。(笑)
ぜひ想像力豊かに答え探しを楽しんでもらえればと思う。
ヒントは「同じ速度」である。
ちなみに私も同じことを地上の人でチャレンジしたことがあるが、
これがなかなかムズカシイ・・・。(苦笑)
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地球の全てのものと切っても切れない存在。
生きとし生けるものを育む反面、容赦なく牙をむく事もある。
人には太刀打ちできない力を持ちながら、
人の行いひとつで大きな影響を受けてしまうこともある。
そんな水の存在をどう感じ、考えるだろうか。
会場で、水の流れに身を任せつつ一考してみるのもよいかもしれない。
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