次に個人の作品のご紹介。
まずは、豊田さん。題名は「Lights of Life」
おなじみの「海の世界」である。
地球(自然)の絶大なパワーに対して、
ひたむきに生きようとするけなげな姿。
彼らは彼らなりの”光を”見いだしているのだろう。 |
そんな海の生き物を通して、
人も地球に住まわせてもらっているという
ことを考えていく必要があるのではないだろうか?
そんな問いを投げかけた作品群なのであろう。
分かち合う光そのものというのではなく、
これからの人として考え合うべき
問題提起といったところだろうか。 |
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続いて、吉田さん。
題名は「Border」
A1サイズのモノクロ作品である。
山や川、海、木や草に至るまで仏性がある。精霊が宿る。
そんな自然界を大事にする
日本人の習俗といっても過言でない考え方。
写真家としてのコンセプトはここに置いているという。
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今回は海(の波)をモチーフに、
波の手前が人の世、波の向こう側を神域としてとらえ、
見る人にも心の中で感じられるような世界を
描き作り出したかったという。
直接的に”光”というのではなく、
神仏に願うことによる心のよりどころとして
光明を見いだせそうな作品群といえる。
動(波)があるにも拘わらず静謐な雰囲気が印象的である。
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それから、川合さん。
題名は「一瞬の光」
PEN(E-PL2)での南伊スナップである。
ご本人としては、先日開催されたグループ展
「She Has A "PEN"」に出展した
「CaPri blue」に続く南イタリア編第二弾となる。
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光と影の国、南イタリア。
強い日差しとともに濃く出る影。
一瞬の強い光の中にある
普段の営みを切り取った作品群である。
アートフィルターを使い、
少しノスタルジックな雰囲気とともに
強い陰影を描きながらも柔らかく
あたたかい感じが印象的である
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続いて、広田さん。
題名は「再び見えてきたもの」
気持ちいい明暗が多い作品群である。
震災以降、しばし刻が止まってしまったという。
動きたくて、動けなくて、焦って、宥めて
ようやく動き始めた先は非現実の世界。
あまりの衝撃に写真家として必要不可欠な
光のを感じる余裕がなかったという。
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しばらくの間はがむしゃらに
泥や瓦礫との格闘。
復興作業という刻(とき)に、
光の存在が封印されたせいなのか
光の観念がリセットされて
光の意味、感じ方、そして表現が
自分の中で明らかに変化したという。 |
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こちらは、新メンバーの水谷さん。
題名は「さまざまな光」
メインジャンルである、
スポーツ界の作品群である。
いろいろなドラマが繰り広げられる
トップアスリート達の世界。
当然、写真家は光を駆使して
よりドラマティックな一瞬を切り取っている。
しかし、不可視の光がそこにある。
アスリート本人も驚愕してしまうのであろう
奇跡という名の光である。
運命のいたずらとも言えるこの光は、
表裏一体、ある者にとっては歓喜となり、
また一方では、試練であったり落胆となる。
スポーツ界に限らずも、この奇跡の光は、
大小のきらめきが世界にただよっていて
キスする先を探しているのかもしれない。
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そして、土屋さん。
題名は「Art of light」
舞台写真の一群である。
日常にはない夢の世界には
いろんな光が存在する。
ハッとしたり、どきどきしたり、
踊りたくなったり、荒れ狂ったり、
時には涙してしまうような光までもがある。
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そんな役者を取り巻く光には
見る人の心に届くパワーがあるという。
そのパワーが見る人に勇気を与えられますように・・・
ということだろうか。
今回は、舞台上の写真だけでなく、
路上を舞台に見立てた作品も並んでいる。
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続いて、清水さん。
題名は「A day」
モノクロスナップの作品群である。
震災の影響からか、日常の景色が気になり
記録しておきたい衝動がわき起こるらしい。
意図を持っているわけではなく、ただひたすらに。
本人にも、
心に傷を負ったのか、
新しい扉が開いたのかわからないらしい。
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兎にも角にも、
心のままにシャッターを押し続ける。
答えが出るのは
長いと思われるトンネルの向こうへ
出たときだろうという。
「光と形容するもの」ではなく、
「光を追い求める」作品
ということになるだろうか。
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最後に、たかはしさん。
題名は「明けない夜はない」
被災地の”今”である。
震災後まもなく、有志の方々とともに
「Bakup Center Japan」を立ち上げ
早々に支援活動をされていたご本人。
現地での支援活動とともに
アルバム(思い出)作りなどの
お手伝いもされている。
今回の作品はそんな中で感じた、
底力、たくましさ、勇気etc...
といったような光が
映し込まれているのであろう。
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